HSPの気質があると、他人の感情に共感しすぎて、本来なら必要のないことを気にしてしまい過剰に疲れてしまうことがあります。
そのような気質を変えることは難しいですが、うまく対処しながらやり過ごしたり、よりポジティブな方向性でその性質を活用したりすることは可能です。
この記事では、他人に共感し過ぎてしまうときの対処法について紹介します。
感情移入し過ぎない
HSP気質の人が他人の感情に共感し過ぎてしまうときには、意識して感情移入し過ぎないようにしましょう。
「他人に共感し過ぎてしまう」と言っても、HSPの人は故意にそうしているわけではなく、無意識レベルで他人の感情を感じ取ってしまうことが多いと思います。
たとえば、「相手の口調や仕草」のような細かいところに反応して、相手の感情を読み取ってしまうことが多いのではないでしょうか?
となると、「したい・したくない」にかかわらず、HSPが人に共感し過ぎてしまうのは仕方がないことですが、それでも他人に共感し過ぎて自分が疲弊してしまうのはできるだけ避けたいことでもあります。
なので、そのようなときには、できるだけその感情に引きずられず感情移入し過ぎないように気をつけましょう。
他人と自分とを切り離して考える
HSP気質がある人は、他者と自分は別の存在だと切り離して考えるようにすることも大切です。
HSPの人は他人の気持ちを過剰に受け止めてしまい、自分にまったく関係のないことでも責任や罪悪感を感じてしまうことがあります。
たとえば、「職場で怒っている人がいるとき」「家族がイライラしているとき」「塞ぎ込んでいるとき」など、その原因に自分が直接関係していなくても、自分が何か悪いことをしたかのように思ったり、何かしてあげないといけないような気持ちになったりすることがあるかもしれません。
とはいえ、HSPは他人の気持ちを感じる能力が強くてもスーパーマンではありません。
他人の期待すべてに応えられるわけではありませんし、他人の問題をすべて代わりに解決してあげることも無理です。どんな状況でも境界線を設けることは大切です。
気にしないことは優しさでもある
HSPの人は、相手の気持ちに共感し過ぎて、他人の問題に対して「自分が何とかしなきゃ」と過剰に責任を感じてしまうときがあるかもしれません。
ただ、ケースバイケースではありますが、たいていの場合はあえて気にせず放っておくことが優しさになることが多いと思います。
たとえば、相手がとくに親しくない人であれば、その人の感情に共感しすぎることで「他人の領域に過剰に踏み込むこと」にもなりかねません。
人は誰も自分の人生に責任をもっているはずですし、「安易に同情された」と受け取られてしまえば、相手のプライドを傷つけてしまうこともあるでしょう。
人に共感できるということは、「思いやりがある」とか「心優しいこと」の表れのようにも思えます。
ただ、過剰に相手のことを心配したり気にかけたりするのは、ときに「その人が自分の感情に自分で責任をもつのを邪魔する行為」になることもあります。
「その人の問題は、その人自身が解決できるはずだ」「自分が踏み込むのはかえって失礼になることもある」「放っておくこともある意味優しさだ」と割り切って、意識を切り替えましょう。
リラックスする時間をもつ
他人に共感し過ぎて疲れてしまうときには、一人になれる時間をたくさんもって、自分を癒す時間をつくりましょう。
HSPの人は、一人の時間をもつことでエネルギーをチャージできます。
過剰な刺激を避けて、静かな空間で一人でリラックスすることで元気を取り戻しましょう。
もし、他人の感情に引っ張られてしまいモヤモヤとしているときには、感情をノートなどに書き出してみるのもおすすめです。自分がどんな思いを抱えているのか、心のなかの感情や考えを整理することで、気持ちが楽になることがあります。
他にも、気分が浮かないときには、アロマオイルを日常に取り入れて居心地のよい環境をつくったり、好きなものを食べたりして、自分を労わる時間をもって自分の心を満たしましょう。
共感能力を強みにする
他人に共感し過ぎて疲弊することが多い場合は、その性質自体を強みとして活用できる方法を考えるのもおすすめです。
共感力の強さは、一つのスキルや能力ともいえます。とはいえ、普段はそれを強みとして感じることは少ないでしょう。むしろ、他人への共感が強過ぎて、それに振り回される自分に嫌気が差すことのほうが多いかもしれません。
それでも、何らかの特化した性質があるなら、それは正しく活用すれば大きな強みになることも事実です。
なので、落ち込むよりも、HSPの共感能力を強みとして活かす方法を積極的に考えてみましょう。
たとえば、
- 豊かな感受性を活かして芸術的な趣味や活動をはじめる
- 共感力の高さを活かせるセラピストやカウンセラーのような仕事をすることを検討してみる
- 他人のニーズを読み取る能力を活かして、ブログで副業をはじめる
このようなことで、HSPの共感力を強みとして発揮できます。
自分のもつ性質を強みとして積極的に活かしていくことで自信を高めることにつながり、毎日をより充実して過ごすことができるはずです。
まとめ
HSP気質の人は、必要以上に他人に共感してしまい疲れを感じることが多いです。
その性質自体は変えることは難しくても、自分のなかで感情を整理して、うまく付き合うことは可能です。
気分をうまくコントロールしたり、共感能力を強みとして活かしたりすることで、HSP特有の悩みを軽減して、より充実した時間を過ごせるようになるでしょう。