HSP気質がある人は、営業の仕事に対して「HSPには向いてないかも…」と感じることが多いかもしえません。
とはいえ、HSPは営業の仕事はまったく選択肢に入れないほうがいいのか、悩む人もいるのではないでしょうか。
そこで、今回は私自身の経験から、HSPと営業の相性を考察してみました。
HSPと営業の相性
かなり前にはなりますが、20代のときに営業の仕事を3年くらい経験したことがあります。
実際に営業の仕事をしてみて、HSPと営業の仕事の相性は「基本的によくない」と感じました。
その理由は、次の2つです。
ノルマや目標設定
営業の仕事は、毎月ノルマや目標設定があり、精神的なプレッシャーがかかります。
今月をクリアしても、翌月になるとまた新しいノルマがやってきて、またその翌月も…と、毎月この繰り返しです。常にノルマや目標に追われている感じになります。
また、一度断られた人にも、「違う方向からアプローチしてみたら?」と上司からアドバイスされることもあり、しつこくアプローチを繰り返すのが気が重いと感じることもありました。
そのため、人の気持ちに敏感で繊細なHSP気質の人には、営業の仕事はきついと感じることが多いでしょう。
仕事に満足感を得にくい
ノルマや目標に追われすぎて仕事に満足感を得にくいことも、HSPと営業の相性のよくないところとして挙げられます。
たとえば、その月の目標を達成しても、そこで終わりではありません。「今月もう一件頑張ろう!」のように、さらに上を目指すようにプレッシャーをかけられてしまいます。
つまり、どれだけ頑張っても気を緩めてはいけない空気感があるんですね…。
なので、緊張しやすくプレッシャーがストレスになりがちなHSP気質の人には、成果が出ても出なくても追い込まれる状態が続き、仕事に満足感や達成感を得られにくいかもしれません。
HSP気質が営業に向いていると感じたところ
基本的にHSPと営業は相性がよくないと思いますが、逆にHSP気質だからこそ営業に向いていると感じたところもあります。
相手に合わせて話ができる
共感力や傾聴力があり相手に合わせて話ができるところも、HSPが営業に向いている要素といえます。
HSP気質の人は人の感情を自然と察することができるので、「相手の反応を見ながら」「相手に合わせて話を進める」ことができるでしょう。
相手の理解度にあわせて話を進めたり、理解できるまで丁寧に説明するといったことができれば、相手に好印象を与えられます。
また、「自分の話をしっかり聞いてくれる」「自分のことを理解してくれる」と感じてもらえれば、信頼感も高まり、成果にもつながりやすくなるという好循環を生み出せます。
知的好奇心が満たせる(※HSS型HSPの場合)
営業の仕事には、業界や商品についての知識が必要なため、知的好奇心が満たされます。
HSS型HSPの人は、知的好奇心が旺盛な傾向があるので、知識が求められる仕事は合っています。
営業なら、仕事をしながら自然と特定の知識を身につけられるので、そういう意味ではやりがいや充実感を得られやすいでしょう。
ルーティーンにならない(※HSS型HSPの場合)
営業の仕事は、外出が多く毎日同じスケジュールで動くことはないので、仕事がルーティーンになりません。
また、商談なども毎回同じように話をして、同じ展開で進めるということはないため、そのときどきの状況にあわせて、臨機応変な対応が必要になります。
そういう意味では、同じことの繰り返しが苦手なHSS型HSPには、営業は働きやすい仕事といえるでしょう。
HSPが営業の仕事をしてみてよかったこと
HSPは営業に向いている要素もあるとはいえ、精神的に楽な仕事ではありません。
それでも、実際に営業の仕事をしてみて、次のようなメリットを感じました。
行動力が身についた
営業の仕事を通じていろいろな場所に行って、実際に多くの人と会うことで、行動力を身につけられたところがよかったことの1つです。
私は、今では海外旅行でも一人で行けますが、もともとは一人で遠出するのは苦手で、行動力がほぼない人でした。
(仕事以外の経験の影響もありますが)そこから、営業の仕事で多くの人に会いに行って話をするなかで、少しずつ行動力を養っていった感じです。
営業の仕事では飛び込み訪問することもあり、かなり緊張して大変でしたが、そういう経験を若いうちにしたことで、あとあと財産になったと思います。
経験が自信になった
もともと営業をするような積極的な性格だったわけではなく、ちょっとした好奇心からはじめることになったのですが、実際にやってみたことで自信になった部分もあります。
営業の仕事をはじめる前は、自分とは「程遠い仕事」のように思っていました。
それでも実際にはじめてみると、思っていたほど仕事内容に抵抗はなく、むしろはじめのほうは順調だったこともあり、「思っていたよりもできる」と自信になりました。
営業を経験したことで、多少なりとも自信になり、その後の仕事探しでも臆病にならずに済んだという意味でも、やってみて得られるものはあったと思います。
まとめ
HSP気質がある人は、「営業に向いてないかも」と思うこともあるかもしれませんが、HSPだからこそ営業に向いている要素もあります。
とはいえ、繊細なHSPには営業の仕事はしんどく感じることが多いかもしれません。
なので、とくにおすすめはしませんが、もしやってみようか悩んでいるなら、経験としてやってみるのも考え方の1つです。
やってみることで何かしら得られるものはあるはずなので、それを踏まえて検討してみることをおすすめします。